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中芝新道 #2

谷川連峰屈指の難コース

中芝新道を行く

(画像をクリックで拡大します)
雑木に埋もれそうに指導標がある。
小休止をしたのち、自分にとってはまだ未踏のルート、中芝新道へ一歩踏み出す。

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今年の三月にここを滑ったときは、谷を埋め尽くしていたい雪もすっかり消え、沢には雪解け水が流れ、巨大な岩が露出している。
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長い年月、塗り替えられていないと思われる指導のペイントを頼りに歩き始めるも、すぐにルートを見失う。
GPSを取り出してルートを確認すると、右岸から歩き始めた登山道はいつのまにか川を渡り左岸に移っている。
視線を左岸に移すと、登山道とも獣道とも思しき踏み跡らしきものが見え、どうやらあれが登山道らしいと、沢を渡り左岸へ移動。

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左岸の登山道は、ともすれば足を踏み外しそうなくらい歩き難く、沢へ転落しないよう慎重に足を進める。

S字も近くなると、やはりここはデブリの溜り場だけのことはあって、雪渓が沢を埋め尽くしている。
またここでルートを見失い、GPSで確認すると、登山道はどうやら雪渓の下らしい・・・
今回はアイゼンを持ってきていないので、ゆっくり、一歩一歩スプーンカットの端に足をかけるようにして歩く。

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3月のほぼ同じ場所だが、おそらく10m 以上雪が沢を埋め尽くしているのだろう。
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雪渓はところどころクレバスが口を開けていて非常に危険だ。
登山ルートからは外れるが、安全を期して雪渓を遠巻きに遡りながら取り付き点を探す。

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S字を慎重に遠巻くと茂倉岳の稜線付近が見えてきて、取り付きの延長らしい踏み跡が確認できた。
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深く裂けた雪渓を振り返る。
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雪渓を渡れそうな場所を慎重に探す。
いずこも沢岸近くはスノーブリッジになっていて、体重をかけたら崩れ落ちそうな場所ばかり・・・
遠くからトンネルになった内側を覗き、層の厚そうな中心部を確認してから右岸に渡る。

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右岸に渡ったはよいが、どれが登山道で、どれが獣道なのかさっぱり分からず右往左往・・・
中芝新道とは言うものの、いかにここを通る人が少ないかをこの状況が物語っている。
やっとのことでペイントらしきものを発見。

登山道なのか雨で削られて凹んだ跡なのか分からないような踏み跡らしきところを見つけ、GPSと確認しながら取り敢えず登りはじめる。

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取り付きからいになり急登急登の連続だが、眺めは最高だ。
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笹平からの東壁。
冬はこの稜線から落ちてきたデブリが沢(S字)を埋め尽くす。

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ニッコウキスゲが一服の清涼剤。
【ニッコウキスゲ】 別名ゼンテイカ。ユリ科 日光に多いことからこの名がついたらしいが、草原を代表する花だ。

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【カラマツソウ】 キンポウゲ科カラマツソウ属の宿根草で、低地から高山の草地に生育する。
種類も多く、個低の判別が難しい花かもしれない。

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悪路の急登に喘ぎながらも、芝倉沢の景観が素晴らしい。
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アングルは少々違うが、ほぼ近い場所からの冬の芝倉沢。
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急登に喘ぎながらも大分高度を稼いできた。
振り返ると清水峠付近の稜線が見え始める。

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まだ七時を回ったばかりなのに、気温の上昇が著しい。
高度を稼いできたとはいえ、休む回数も増え、上を眺めては先の長さを思い、下を見下ろしては「まだこれしか登ってないのか」と先の長さをまた思う・・・・・・・・

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深い谷は一枚の写真には納まりにくい。
縦に写真を繋げてみる。

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上を見上げれば、まだ延々と続く急登・・・・・・
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振り返った景色をパノラマ・・・
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山行を振り返りながら山から持ち帰った湧水でコーヒーを入れて飲み。
写真を選び、選んだ写真をWEB用に縮小したり、パノラマにしたりと、まだまだ写真の整理が続きます・・・・・・・・

by sakusaku_fukafuka | 2009-07-19 08:46 | 2009 無雪期登山・夏 | Comments(2)

Commented by kimiko_shibata1 at 2009-07-19 22:40
こんばんは
またすごいルートに挑戦されましたね。
最近はこのような登山をする方が激減してマークの古びてきたのでしょうね。
百名山~三百名山志向が多い時代です。
一歩一歩が緊張の連続でしたね。
無事の成功、さすが実力のある本物の山屋さんです!
こちらも野反湖から持ち帰った水で梅酒なんぞを飲みながらカラマツソウはわからん???と・・・

乾杯!です。
Commented by sakusaku_fukafuka at 2009-07-20 21:45
♣ kimiko_shibata さん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
かつての登山ブームのころは、ここも相当歩かれたルートなのでしょうが、今はほとんど歩く人も無いようで、登山道も熊笹に覆われて見失うようなところもあります。
でも、取り付くあたりから視界は良く、すばらしい景色を見ながら登ることができます。
昨今は、確かに100名山をいくつ登ったとかの自慢話を良く耳にしますね。
でも、自分には100名山は何の魅力もありません。
小生は、同じ山の四季折々の景色を楽しみ、同じ山の奥深いところまで味わう登り方が好きです。
この自分流はこれからも貫きたいですね。
山から持ち帰った水、一味も二味も違いますよね^^
思い出が詰まった水です。