天候急変谷川岳 (13th)

Snow-forecast によると午前「rain shwrs」。
午後は「snow shwrs」とあるのだから天候が良いはずは無い、おまけにかなりの強風予報。
きっと今朝は谷川岳は見えないだろう、と思いつつ窓を開けると朝の時点では予想を覆して谷川岳はクッキリ・・・・・・・
迷いつつも時計を見ると、これからなら朝一のロープウェイに間に合う。

駄目モトでとりあえず土合へ。

ベースプラザはスキー客、BCツアー、登山者たちで案外にぎわっている。
チケット売り場にはヂュンさんたちスキー・ボード混合ツアーも・・・
我輩と同じく皆さんやっぱり目的は芝倉沢とのこと。

登山届けを投函。
片道切符を購入して山上駅へ。

天候が悪くならないうちにできるだけ奥へ行きたい。
急ぎ準備。


※ 当ブログは雪山滑降を計画される方々に情報を提供することを目的とするものではありません。
記事にはその日のレポートの場合もあれば、日時を経たものもあります。
山行を計画される場合はご自身で最新の情報を入手され、天候、経験、体力などを考慮し、自己の責任の下で行ってください。



b0062024_21421786.jpg
















締まった雪のハイクで田尻尾根へ。

目前に控える様変わりした谷川岳を見て愕然とした・・・・・・・・
たった一週間前の深雪ラッセルが信じられないくらい春の山に変貌した姿に「パウダーの季節はもう終わったんだ・・・」と悟らざるを得なかった。

先週までは眩しいくらいに真っ白だった谷川岳が今は黄砂にまみれている。
b0062024_21461691.jpg














前日小屋に泊まったのだろうか、恐ろしいほどの数のパーティが下山してくる。
b0062024_21493988.jpg


b0062024_21495173.jpg













山頂直下には上っていくらしいパーティ。
b0062024_21503780.jpg













すっかり春の山だ。
b0062024_2151625.jpg















西黒尾根南面には春山の特徴でもある大きな亀裂が入り、全層雪崩の様相を呈してきた。
b0062024_2152593.jpg














熊穴沢非難小屋を過ぎると風をさえぎるものは何も無い。
予報でも伝えられていた強風の洗礼を受ける。

時々歩けないくらいの強風が吹きつけ、膝を突いてやりすごす。
天狗の溜まり場までもう少し、というとき突風に煽られ転倒した。

下を見ると登山者も立ち止まって強風に耐えている。

若干風が収まったタイミングで登攀再開。
天狗の留まり場を過ぎると嘘のように無風に近い状態。
さっき山頂を目指していた登山者たちが下山してきた。

肩の広場はストライプだらけだ。
b0062024_21584369.jpg














ほぼ山頂直下。
四ノ沢源頭を覗くと先日自分が落っこちた穴がまだ開いたままだった。
b0062024_2204286.jpg













マチガ沢から視線を移すとクライマーたちが東尾根を登ってくる。
b0062024_222148.jpg














西を見ると天候悪化が一目瞭然。
怪しい雲が急ぎ足でこちらにやってくる。
b0062024_223782.jpg













山頂トマの耳を望むと東側に大きな亀裂。
b0062024_2235854.jpg













視界があったのはここまで・・・・・・・・・・

トマの耳を通過。
オキノ耳も通り過ぎ、富士浅間神社奥の院を通過するころにはすっかりホワイトアウト。

まだ前日のトレースを頼りに歩けたものの、ノゾキも近づくころには見えるのは自分のつま先だけ・・・
ホワイトアウトというよりもグレーアウトと言ったほうが良いかも・・・
カリカリの稜線に刻まれていたのはアイゼンの爪痕だけだったが、すでにそれさえも確認できない。
濃霧の向こうから白い悪魔が手招きしている。

この濃霧の中先へ進めばノゾキから一ノ倉沢へ転落するか、転落を免れても遭難は間違いないだろう。
強風でウェアに吹き付けられた水蒸気はすでに真っ白に凍っている。
露出した肌は感覚も麻痺し凍傷一歩手前。

引き返す。

数分来たルートを戻ると向こうから三人の人影。
ヂュンさんたち三人だ。

「俺は戻ることにしました。先へ進むのは危険なので止めました」

強風と寒風の中、肩の小屋までの道のりは思ったよりも長く感じた。
小屋の中にはすでに先客で満員御礼状態。
アイゼンのベルトは凍ってなかなか脱げない。
休憩をとっていると次々と小屋へ登山者たちが退避してくる。
ヂュンさんたち三人も引き返してきたので安心。

ここに小屋があることの有難さを改めて今回も思った。
感謝、感謝。

b0062024_22213845.jpg


小一時間小屋の中で冷え切った体を温め、時折外を見るも天候は予報通り回復の兆しなし。
意を決して下山開始。
ホワイトアウトに近い状況だが地形はしっかり覚えている。
雪面はほぼカリカリのアイスバーン。
ほとんど板をずらしながらの下山。
熊穴の非難小屋到着。

迷わず西黒沢へドロップ。
気温が下がらなかったらおそらくモナカだったのだろうが、冷えたおかげで板はすこぶる滑る。
ボトムはほぼフラットに埋まり予想したよりも快適に田尻コースへ合流。

ベースプラザへ無事下山届けを投函。
車のヒーター全開。
「暖かいってこんなにありがたいのか」と感覚が戻り始めた肌で幸せ感を味わいながら湯檜曽へ向かうと・・・・
b0062024_22294825.jpg














孫が好きなアンパンマン・・・・・
こんなのを見てなにかホっとしたのでありました。
思えば、まだ何も食ってなかった・・・
帰路はこのところすっかりはまっている「レストランあしま」の焼カレー。
もちろん大好きなキノコカレーでした。
b0062024_22315631.jpg

by sakusaku_fukafuka | 2013-03-11 22:42 | 2013 雪山三昧・中期 | Comments(14)

Commented by 常吉 at 2013-03-11 23:43 x
春山の様相が一変、凍傷寸前でしたか。ご無事に戻られて何よりです。天候も雪も谷川は難しいですね。
Commented by m-kotsubu at 2013-03-11 23:56
こんばんは♪
急変しましたか…
雪山はやはり怖いですね。
アンパンマン、ほっとしますね。 わかります。
お孫さんのためにも、絶対無事でいてくださいね…
などと言うまでもなく大丈夫だと思いますが。^^;
谷川岳、今年こそ登ろうと思っています。
もちろん夏ですが…^^
Commented at 2013-03-12 10:38 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by daisuke at 2013-03-12 19:52 x
こばんは。53歳のBC初心者なので、このサイトを愛読しております。JONES SNOWBOARDの板を使っているようですが、この板の特徴とかレポートしていただけるとうれしいです。
抜群の浮力があるらしいですが、フレックスが硬いと聞き、パウダーでの乗り心地を知りたいです。
Commented by sakusaku_fukafuka at 2013-03-12 20:41
♣ 常吉さん、コメントありがとうございます。
今日はこれが同じ谷川岳だろうか、というくらい綺麗に澄んで見えましたが、このときの寒さは半端じゃなかったです。
登山者という登山者が皆樹氷をまとっているような有様でした。
アイゼンもベルトが凍ってしまいなかなか脱げませんでしたが、ほかの登山者も「アイゼンが凍って脱げない」と嘆いていましたから本当に冬に逆戻りでしたね。
あのまま一ノ倉岳へ向かっていたら危なかったと思います。
Commented by sakusaku_fukafuka at 2013-03-12 20:48
♣ m-kotsubu さん、コメントありがとうございます。
はい、これが雪山の怖いところです。
晴れたときはこんなきれいな景色があるのだろうか、というくらい美しいですが、天候が悪化したときは正に「魔」の山となります。

谷川岳、是非登ってみてください。
天候の難しい山ですので、晴れる確立も低いですが、とても良い山です。
お勧めは多少ハードでもマチガ沢を右手に眺めながら登る巌剛新道です。
天神尾根→ロープウェイは下山時に使われるのが良いでしょう。
Commented by sakusaku_fukafuka at 2013-03-12 20:53
♣ 鍵コメDSKさん、コメントありがとうございます。
あのまま先へ進んでもきっと良いことはなかったと思いますよね。
稜線の寒さは厳しいものでした。
あのあと小屋を出てすぐに板をつけ、熊穴沢非難小屋まではずらしたりしながら下り、気温も低く、雪崩の危険性は少ないだろうと見込み、西黒沢へドロップしました。
カリカリのアイスバーンというのは無く、板も滑りましたので思ったよりも早く下山できました。
Commented by sakusaku_fukafuka at 2013-03-12 21:08
♣ daisukeさん、コメントありがとうございます。
また、いつもブログをごらん頂ありがとうございます。
私の滑走技術はいたって未熟で、滑走の薀蓄をお話できるほどのスキルを持ち合わせておりませんので、成熟した滑走技術をお持ちの方からお聞きになったほうがよろしいかと思われます。
>抜群の浮力があるらしいですが・・・・・・
私なりにですが・・・私が重いのか、背中の荷が重いのか、私もこの板は「浮く」と聞きましたが、残念なことに今まで「この板は浮く」という実感を味わったことはありません。
>フレックスが硬いと聞き・・・・・・
私がメインに使っているのは古くなりましたがVECTOR GLIDEのGENIUS です。
この板が柔らかめなので、比べると硬いかもしれません。
パウダーでの乗り心地は悪くはありませんが、やはり一番のお気に入りはVECTOR GLIDEのGENIUS(http://rbs7.com/vectorglide.htm)です。
今のところこの板を凌駕する板は自分には存在しません。
参考にならずに申し訳ありません。
Commented by sho-m1228 at 2013-03-13 15:41
読んでるだけで恐ろしさが伝わりました。
ホワイトアウトの一ノ倉への稜線、ほんと恐いです。
強風の稜線もアイスバーンも恐い、山は恐いものだらけです。

先日の記事で、穴の中から撮った写真すごかったです。
深いし出るの大変だし、なによりカメラマン魂がすごいと思いました。

山に行けば行くほど恐ろしいと思うようになりました。
安全に遊びたいと思います。
Commented by sakusaku_fukafuka at 2013-03-13 21:16
♣ sho さん、コメントありがとうございます。
あの一ノ倉へ向かう稜線も日々変化しますから気を抜けません。
あの稜線は踏み抜きも多いし、一番怖いのは東側に発達した雪庇ですね。
ホワイトアウトで知らず知らずのうちにあの雪庇の上を歩いていたら、なんて想像するだけで背筋が寒くなります。

前週落っこちた四ノ沢の源頭部の穴は1/3くらいは埋まっていましたが、まだまだ大きく口を開けたままでしたね。
人間よりも雪が先に落ちてくれるので、先に落ちた雪の上に軟着陸でした(笑)
sho さんもエクストリーマーですごいところを滑ってますから山の怖さは人一倍知ってますよね。
Commented by kimiko_shibata1 at 2013-03-14 07:58
春の山らしくなってきましたね。
そうするとこの亀裂から全層雪崩・・・
天候の急変、山では珍しくありませんが、最近では平野部もそんな急変が多くなりました。
適切な判断、・・・それが第一ですね。無事、帰宅が目標ですもの。
Commented by sakusaku_fukafuka at 2013-03-15 16:48
♣ kimiko_shibataさん、コメントありがとうございます。
>春の山らしくなってきましたね
はい、それもたったの一週間ですっかり様変わり。
三月半ば、ふわふわの吹けば飛ぶような柔らかく軽い雪の季節が終わってしまったのを実感しました。
でも、この日は午後の稜線は大荒れ。
春と冬を同じ日に体験したのでした。
こんな日は進まず戻るのが妥当ですね。
Commented by mountainshark at 2013-03-18 21:00
先日はお疲れさまでした。
又、久々お会いでき、後天のおかげでFKZさんとゆっくりお話でき、大変勉強になった山行でした。
いくら話しても話し足りないので、FKZさんともっとお話できたら良いのにと思いました。
私たちは仲間と離れることを懸念しアイゼン下山を選択しましたが、熊穴沢周辺を滑走され、無事に下山され、FKZさんの車がいつもの場所に停まっていなかったことを確認し安心しました。
また山でお会いできる日を楽しみにしております。
Commented by sakusaku_fukafuka at 2013-03-19 23:05
♣ mountainshark さん、コメントありがとうございます。
アイゼン下山というのもすごいですね~~
無謀な私はマチガ沢へドロップしました。
またいつか山談義ができるのを楽しみにしています。