至仏山滑降 Solo
次の静かなる山は・・・・・・
あれこれ幾つか候補を上げて思案してきたのだが、除雪が入る前の尾瀬に決めた。
近頃のGWの「都会並み」の喧騒渦巻く尾瀬は全く行きたいと思わなくなった・・・・・・・
やっぱり尾瀬は静かがいい。
計画は日帰りなので、未明の出発。
仕事を終えて帰宅したらすぐにパッキング。
しかし、やることをやって出かけるとなるとやっぱり遅くなってしまう。
途中コンビニで食料と行動食を仕入れて戸倉へ向かう。
案の定睡魔がすぐに襲ってきた。
時々センターラインの「ゴー」という音で我に返り、慌てて車線に戻ることを繰り返しながらなんとか戸倉に着いたのが午前0時ころ。
駐車スペースに車を停めると、無事到着したことで安堵して睡魔に勝てず爆睡。
結局計画よりも二時間あまり遅れて午前2時38分の出発となった。
闇夜に「道路閉鎖」の案内表示だけが煌々と水銀灯に照らされている。
道路の横からゲートを抜け、至仏山へ向かっての登攀が始まった。
(画像をクリックで拡大します)
満点の星だが、寒さは感じない。
ただ暗いだけだ・・・・・
山小屋へ荷揚げするためか、屋根の雪下ろしをするためだろうか、スノーモービルの走行跡に導かれるように夜道を進む。
浅いところで約2m、深いところでは5mくらい下に道路がある・・・・・・
たまに見える駐車禁止の標識のほとんどは歩いている高さだ。
暗い夜道はいくら歩いても距離感が全くわからない。
2時間20分ほどかかって、ようやく津奈木沢の分岐。
ここからは登りになる。
ようやく空が明るんできた。
明るい、ってこんなに有難いんだ。
当たり前のことなんだけど、明るいことの悦びも夜明けと同時にやってきた。
しかし、しかし睡眠不足はやっぱりきつい・・・・・・
歩きながらも睡魔が襲ってきて、歩くのが何とも辛いのだ・・・・・・
それでも、生欠伸を繰り返しながら歩くしか無い。
モービルのガイドは続く・・・・・・・
上州武尊山がモルゲンロートに染まり始めた。
3時間40分ほどで、やっと鳩待峠。
鳩待山荘もほとんど雪に埋もれている。
これから目指す至仏山を仰ぎ見る。
すっかり夜は明けきって美しいブナ林から登坂が始まる。
しかし、風も無く静か。
静寂を破るのはアカゲラが幹を突く音だけだ。
振り返ると燧ヶ岳。
いつもの休憩ポイントにて大休止。
思えばここまで何も腹に入れてなかった。
左奥に上州武尊山、右に笠ケ岳と小笠。
オヤマザワ田代
小至仏山直下から燧ヶ岳
ここから見る上州武尊山と笠ケ岳の景色は好きだな・・・
しかし、ここでシールを外す。
まだ雪が緩みきっていない小至仏山のトラバースはスプリットでは無理だ。
アイゼンを装着し、スノーボードは背負って至仏山を目指す。
10時13分、至仏山山頂到着。
凡そ7時間半の登攀だった。
至仏山山頂より尾瀬ヶ原。
谷川岳方面。
雪が緩むのを待ちながら小至仏山を望むと、まさかの人影が四っつ・・・・・・・・・・
後でわかったのだが、鳩待山荘の裏にテントを設営して昨日から幕営している登山者二名、スキーヤー一名、スノーボーダー一名の四人のパーティだった。
しばらくすると彼らのうちの二名が小至仏山から滑りだした。
その様子を見ていると、どうやら雪も大分緩んできたようで、俺も滑りだすことにした。
エントリーポイントに移動すると、これまで見たことがないくらいのレインストライプ(英語でこう言うかどうかは知らないが)が入っている・・・・・・
滑りにくそう・・・・・・・・・
ま、いいか・・・・・・・
俺の他に四人居たけど、静かな尾瀬を満喫できたので由としよう。
無事至仏山を滑り終え、悪沢を渡り鳩待へ戻る。
こうして見るとストライプなんて見えないんだけどね~~・・・・・・
鳩待峠へ戻ったら女性と年配者の二人のパーティ。
この人達も前日から幕営していたらしい。
結局、この日は俺を入れて7名の山屋がいたことになるわけだが、この人数なら静かなことには変わりない。
以下は下りの滑走だが、長いのでパスしてください(笑)
しかし、至仏山滑降よりも帰路の滑りの方が楽しかったかもしれない・・・
by sakusaku_fukafuka | 2015-03-22 22:50 | 2015 Season 雪山三昧・後期 | Comments(6)
私も昨年3月の初めに行きましたが、腰ラッセルに苦しめられて(実際はそれを楽しんだのですが)初日は小至仏山までも届きませんでしたが、二日目は誰もいない至仏山を堪能しました。
かつて常吉さんたちが苦労した事も踏まえ、1Dayなら早出必須
と考えておりました。
ところが、睡魔に勝てず計画よりも2時間あまり出発が遅れてしまいました。
しかし幸いな事に雪はガチガチ。
スノーモービルの跡も幸いして覚悟していたラッセルは全く無かったので、遅れた分も取り戻せた感があります。
もしかしたら雪の状態如何で鳩待峠まで到達できないかもしれない、と考えておりましたので、滑りを犠牲にしてもお陰で静かな尾瀬を楽しむことが出来ました。
あの広いエリアに7人だけですから、自分以外は居ないに等しい環境でしたね。
夜の長道中は景色が見えない分、出口の見えないトンネルの中を歩いてるが如くですね。
ヘッドランプの灯りの届く範囲しか見えませんから、距離感が全くわかりません^^;
夜が明けるのをひたすら待ちながら歩くのみ、ですね。
怠け者(本当です)なので、トレーニングは全くやってないんですよ。
トレーニングをやっていたらもうちょっと楽なのかもしれませんよね。
もし新雪ラッセルがあったら至仏山まで到達できなかったかもしれません。
実は至仏行ったことないんです。
週末しか滑れない自分は、これから先限られた時間でどれだけのルートを滑るんだろうと、漠然と思いました。
話変わりますが、WBってどうされてますか?
私はオートで撮ってますが、今の黄砂の時期は黄色っぽくなってしまい、どうしたらいいのかわからなくなってしまいます(^-^;
至仏山、7時間半は早かった方だと思うんです。
もしかしたら日帰り至仏山とはいえ、鳩待峠まで行くのがせいぜいかもしれない、と思っていました。
折から好天が続いた後で雪が閉まっていたので7時間半で行くことができました。
>週末だけ・・・・・
はい、この日は祝日だったため、土曜日に滑りに行くことができましたが、自分は基本日曜日だけですので、shoさんよりも更に少ない滑走日を何処に滑りに行こうか、いつも迷います。
>WB
自分はオートかDaylightが多いです。
心配なときは仕上げの段階でWBを変えられるRAWで念の為に撮影しておきます。
しかし、曇や雨の日の「曇天」「日陰」はどうも不自然なので、殆使うことは無いです。
やはり自然もしくはフィルムに近いのはDaylightだと自分は思います。