GW 槍ヶ岳 #5
槍沢を一本滑って登り返したら、本当に穂先へ登ることになった。
無雪期と違い、まだところどころ残雪がある。
我々は登山靴ではなくてスノーボードブーツのままである。
近くで10人ほどのツアー客を集めて、山岳ガイドが穂先へ登る際の注意点を説明していたのを聞いていると、どうやらアイゼンとピッケルが必携のようである。
雪のあるところはアイゼンでもわかるが、雪の無いところをアイゼンを装着したまま歩くほど歩きにくいことはない。
しかし、一々アイゼンを脱着するのは合理的ではない。
槍沢を滑ってテンション上がった「R」は穂先へ登るつもりで意気揚揚としている(笑)
我々も意を決して小屋へ取って返し、アイゼンとピッケルを持ってきて装着。
自分はともかく、「R」に何かあっては困るので慎重に登ることにした。
足元の悪い岩場を西側へ巻いたとき、「R」が雪を真っ赤に染めている血痕を発見。
まだ赤々とした血の色は怪我人がでて間もないことを物語っている。
しかし、驚きはしたものの、そんなことに怯むことなく登攀を続ける意思を見せる「R」を見て、『この娘も逞しくなったな』と思うのである。
こんな場所ではやっぱりアイゼンが役に立つ。
穂先直下。
アイゼンを着けたままの梯子は登りにくく、案外怖いのであるが、平気で登ってくる「R」。
槍ヶ岳山頂。
これで紛れも無く槍ヶ岳に来たことになる。
山頂では『イワヒバリ』のお出迎え。
人懐こく、我々の足元をピョコピョコと歩き回っていた。
山頂で景色を楽しみながら、双六にベースキャンプを設営し、黒部源流を滑っていると、無線が入った仲間と交信。
電波状況があまりよくなく、二言三言交信して下山。
登る時より下山の方が難しい。
慎重に下る。
槍沢ロッジから槍ヶ岳山荘までの長く辛いアプローチを終え、休憩後、槍沢を滑り、おまけに山頂への登頂も果たした二日目は密度の濃いスケジュールだったが、槍ヶ岳登頂という本懐を遂げた「R」は大満足だったろう。
by sakusaku_fukafuka | 2009-05-23 13:19 | 2009 槍ヶ岳滑降 | Comments(6)
「R」さんが羨ましい。
しかし、槍も近く見ると、岩の壁ですね。
今度はこの時期に槍ヶ岳登頂とは、恐れ入りました。
コメントありがとうございます。
雪が残っているこの時期の槍ヶ岳の穂先への登頂はいささか危険が増しますね。
おまけにスノーボードブーツにアイゼンを着けての登頂でしたからなお更でした。
ま、無事に山頂を往復できてホっとしましたよ。
コメントありがとうございます。
アイゼンを装着しての岩場の登攀はなかなか歩きにくいです。
でも、一々脱着を繰り返すわけにはいきませんからね~~
雪がもうちょっと有ったら無理でしたけど、幸いなんとか登ることができました。
ほんと↑でもコメントありますが、スノーボードブーツでの槍の残雪期の登頂は危険が伴う中sakusakuさんのサポートとRさんの慎重な頑張りでクリア出来たんでしょうね!
槍沢のライディングより穂先への登頂」にいっぴょう(^^)/
お疲れ様でした。
コメントありがとうございます。
スノーボードブーツもさることながら、アイゼンを着けたままの岩場の登攀に神経を使いましたね。
非常に歩きにくいしかえって危ないですね。
以前登った時は登山靴でしたから、もっと登りやすかったですけどね^^;
でも、大満足の一日になりました。