谷川岳 2013年1月5日 5th 西黒沢
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ロープウェイを降りて登攀準備。
先行するスキーヤー一人。
スキーにしては動きが悪そうに見える。
一歩スキーヤーのトレースに足を踏み入れてわかった。
とにかく深い。
これじゃ、スキーでも難儀するはずだ。納得。
スキーのトレースがあるにもかかわらず、シューは腰まで沈む。
後から追いついてくる登山者も増えて、皆で協力しあって交代でラッセル。
ほんの10歩進むのに汗だくになるほど深い雪に悪戦苦闘。
田尻尾根をほぼ夏道に近いルートで回りこむと、快晴の谷川岳が目に入り、皆の口から感嘆の声が漏れた。
しばし足を止め、谷川岳に見入る。
ようやく天神尾根に出た。
ここからは稜線歩きなので多少は歩きやすい。
熊穴沢避難小屋まで、ほぼ10人近い人数でラッセルしてなんと3時間以上かかってしまった。
殆どの人がここまでのラッセルでバテバテ。
休憩する人、先へ進む人、ここからはバラバラ・・・・・・・
熊穴沢からの急登はまた難儀なラッセル。
それでも天狗の溜場直下からクラストに変わり、ようやく楽な登攀になった。
山頂に登る気はないので、いつものドロップポイントからノートラックの肩の広場を一本滑る。
前回は下部で深すぎて止まってしまったが、今日も多分止まってしまうだろう、と思ったのだが、いざ滑りだしてみるとそんな心配は無用な何とも快適な滑り。
贅沢に斜面をめいっぱい使ってでっかいターンで滑り切る。
当然登り返し。
登り返しをしていると、ザンゲ岩の下で下山してくる登山者に声をかけられた。
どなたかと思いきや、一昨年まで9年の長きにわたって谷川岳山頂【肩の小屋】で管理人を務めておられた馬場さんであった。(元群馬県警谷川岳山岳警備隊隊長)
管理人を辞められる前に肩の小屋まで会いに行ったがちょうど留守でお会いできずにいたままだったので嬉しい再会だった。
「私も時々登っているのでまた会いましょう」と言葉をかわして別れた。
少し余裕もできて何も食っていないことに気づき、軽く腹ごしらえをしながらお気に入りの場所で谷川岳の景色に見入る。
空身で山頂まで行き、マチガ沢の様子を確認するも、まだ西黒沢にしようか四ノ沢にしようか決まらずだったが、結局沢のボトムがある程度埋まっていることを祈りながら西黒沢へ滑降することに決めた。
西黒沢上部。
ここから一気に落ち込む。
一箇所岩が露出しているところがあったものの、気持ち良い雪に大満足。
西黒尾根を仰ぐ。
西黒沢中間部
この辺りまでは十分沢は埋まっている。
ただ、いつものことだが、デブリオンパレードである。
お気に入りのビューポイントから
後半は、沢が埋まりきっておらず、藪をくぐり抜けたりぱっくり口を開けた沢の深みに落ちないよう最新の注意を払いながら板を滑らす。
ラッセルで疲れた体にはなかなかしんどい・・・・・・・
渡渉二回、なんとかスキーー場の田尻コースに出た。
ここまで出ればあとはコース上を滑り降りるだけ。
後半の沢の移動には難儀したものの、山頂付近からの滑りは最高。
大満足の一日だった。
町から滑った谷川岳を眺める。
望遠レンズで引っ張ると、我々の遊んだラインがクッキリと残っていた。
今回先行する一人のスキーヤーのトレースに助けられた。
このスキーヤーが良く谷川でお会いする面識のある人だったことが。肩の広場を滑り終えてその方と言葉を交わした時にわかった。
この場を借りてお礼申し上げたい。
by sakusaku_fukafuka | 2013-01-05 21:26 | 2013 雪山三昧・前期 | Comments(14)
スキーのトレースのあとで、シューは腰までとは驚きます。
宮城県の山では、このようにはなりません。
雪質は良いのでしょうね。
逆光の林も素敵・・・・
とにかく雪の多いのにびっくりです。
熊沢小屋まで3時間とは!!
最後に下りた沢からスキー場まで帰るのがまた大変なのでしょうね。
遊んだあと、振り返ってのシュプールがきれいだったですね。
楽しい一日が描かれています。
はい、スキーのトレースのあとも腰から所によっては胸くらいまで沈み、這い上がるのが大変でした。
登山者たちも口々に「このスキーのトレースが無かったら敗退だね」というくらい難儀する深さでした。
二日間降り続くとこんなに積もってしまうんですね~。
お陰で滑りは楽しめましたけど。
ありがとうございます。
冬の谷川岳には幾度と無く登っていますが(夏より多い)熊穴沢避難小屋までこれほど時間を費やしたことは初めてです。
熊穴から山頂までの距離を考えると「どうしようか」と思案するほど体力消耗してました。
滑走後も、西黒沢の下部はまだ埋まりきっておらず、沢に落ちないよう移動することと藪との戦いです。
ラッセルで疲れきっていた体にはゲレンデのコースまで戻るのが一仕事なんです^^;
でも、西黒沢ボトムから滑ってきた山を仰ぐと、その美しさに癒されます。
疲れはしましたけど満足の一日でした。
昨日はお世話になりました。
シーズン始めは谷川岳で懐かしい人達と会いますが嬉しいことですね。
Takeuchi さんともちょうど一年ぶりですね。
ラッセルには難儀しましたが、滑りは快適で苦労が報われた一日でした。
また谷川での再会を楽しみにしております。
少しご無沙汰していました(^-^;)
今年もダイナミックな冬山の画像楽しませてもらえて、嬉しいです
考えただけでも、すごい体力が必要なレジャ-ですよね
それなのにカメラ持って綺麗な写真撮影しているsakusaku_fukafukaさんて、年齢が停滞している感じです(^-^;)
素敵な景色に感動できることって羨ましいです
暖かいコタツの中から拝見しているwakabaです(^-^;)
はい、体力要りますね~~
この日は深過ぎて本当に大変でした。
これほど過去に登山者たちと協力しあってラッセルしたことはありません。
こんな広いエリアに二日間で1m以上も積もってしまう雪ってすごいですよね。
つたない写真ですが、楽しんでいただけて嬉しいです。
想像しただけで疲れちゃいます(^0^;
西黒沢2回滑りましたが、2回とも難しいと思いました。
急だし、日射の影響で雪がクラストしてました。
どんな雪質でもかっこよく滑れるようになりたいです(・∀・)
谷川でこれほどしんどいラッセルは初めてかもしれません。
それくらい大変なラッセルでした。
西黒沢はこの日も一箇所まだ滝出ていて、その付近がクラストしてました。
でもここ以外はとても快適で気持ち良い滑りを楽しめました。
shoさんの滑りはとても格好いいと思いますけどね~~。
かぐらお疲れ様でした。
常吉さん一行はかぐらで美味しい思いをされたようですね。
あの混雑かぐらで北斜一番乗りは快挙でしょうね。
こちらもラッセルは思いの外しんどかったですが、滑りはすこぶる快適で、あの深雪ラッセルが信じられないくらいでした。
相変わらず圧倒されるような雪景色にため息です。
今年は雪が多いのでしょうか?ラッセルの苦労は想像するしかないですが、恐らく私の想像よりはるかにきついのでしょうね~。
今年も素敵で安全な山ライフをお楽しみくださいね^^
本年もよろしくお願いします。
今シーズンは降り始めは早かったのですが、その後はあまり続きません。
でも、この日は二日前から降り続いていたため思いの外深かったです。
おそらく二日間で(深いところは)1mを超える積雪があったのではないかと思います。
とにかく膝や腕で潰したりピッケルやストックで崩したりしないとどうにも前へ進めないのです。
深すぎて足を前に出すほど蹴ることができませんでした。
本年もよろしくお願い致します。