谷川岳 6th 新ルートへ
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予報では午前晴れ、午後晴のち曇。
田尻トップから谷川岳を望む限り「予報はあくまでも予報・・・・・」
とうていこれから晴れに向かうとは思えない景色。
相当強風が吹いていると思われる。
当ブログを見た、というスキーヤーを同伴したスノーボーダーの方と会う。
ここ谷川では珍しくない天候なので過大な期待はせずにとりあえず山頂へ向かう。
毎度のことだが、右手に白毛門を望む。
晴れるどころか視界は徐々に悪くなってくる。
望遠レンズで引っ張ると、稜線を登っていく先行の登山者二名。
俎嵓
天狗の溜場を過ぎるとかなりの強風。
2~3度風に煽られて倒されそうになる。
耳まで帽子で覆っていても寒風で耳が痛い。
ザンゲ岩を過ぎる頃にはすっかりホワイトアウトで、山岳会が設置していった小旗すら見えなくなり、五感を働かせ、この辺りだろう・・・と思われるところから左に折れると濃霧の中から肩の小屋の黒い影。
自分の「感」にちょっと満足。
小屋で次々とやってくる登山者たちと話しながら小一時間。
天神で声をかけてきたスキーヤーとスノーボーダーのお二方は先に滑り降りていった。
時折明るくなり、ガスの中に太陽の輪郭がわかるようになるが晴れる様子は無い。
かぐらと無線交信。
新年の挨拶を交わしながらあちらの様子を聞くと「霧が抜け、平標山辺りまで見える」と一報。
タイムリミット。
小屋を出て滑り出しのポイントで板を履き、いつでもドロップ出来る体勢で待っていると登ってくるスキーヤーの一団の中から声をかけてきたのは常吉さん。
久しぶりの再会。
寒風吹きすさぶ中でしばし歓談。
常吉さんご一行は今シーズン初の山頂目指して登っていった。
小屋を出てからも、およそ一時間も寒風の中で滑走のチャンスを覗っていただろうか・・・・・
体はすっかり冷えきって我慢も限界というころ、肩の広場の全容が一瞬見えた。
今を置いてチャンスは無い・・・・・・・・
熊穴沢避難小屋から見たいつものポイントもラインだらけだったし、西黒沢メインもけっこうラインが入っており、今日はここを滑るつもりはない。
以前から狙っていたちょっとデンジャラスなポイントへ向かって一気に滑りだす。
自分にとってはここは「新ルート」。
最上部から未知の世界を見下ろすと期待と不安で心臓はパクパク・・・
最も気になる急で狭いシュートはここからは見えないから余計にドキドキ・・・
ま、なんともたまらないこの瞬間・・・
まだ見たことがない世界を見たい期待と不安に背中を押されて「GO!」
写真で幾度も確認してきたが、いざ核心部に迫ったら思いの外狭かった・・・
シュプールを描く広さはなく、ジャンピングターンをしながら一気に広いスペースへ逃げるようにくぐり抜けた。
見上げる・・・・・・
同じ場所から西黒沢を見下ろす・・・・・・・・・
デブリは新しく、幸い柔らかい。
ソールでデブリを潰すように滑り降りる。
再度見上げる・・・
こっちを見ると・・・・
「や~~長居無用ですな・・・」
ボトム付近まで滑り降り、再度見上げる
核心部を滑り終えてデブリはあったものの、気持よかった滑りを残り香を楽しむように西黒沢ボトムから見上げる。
最高!!
かくして自己満足の一日を終えた。
by sakusaku_fukafuka | 2013-01-15 22:48 | 2013 雪山三昧・前期 | Comments(2)
またも素晴らしい滑降の成功おめでとうございます。
下からシュプールを見て唖然とし、sakusaku_fukahukaさんだと確信しました。
この記事を読ませて頂いて、私も少しはドキドキするような滑走をしなきゃ世界が広まらないなと思いました。まぁ下手だし臆病なのでエキストリームはできませんが。
またお会いする日を楽しみにしています!
写真を見ながら以前からやりたい、と思っていたシュートなんです。
登っているときからデブリがあるのを見ていたので、滑りはどうかな?・・・と思っていたのですが、それほど気になるデブリではなく、ソールで潰しながら案外快適に滑ることができました。
>私も少しはドキドキするような・・・
いえいえ、常吉さんは社会的地位もありますし、周りのことなどを考えて慎重なのですよ。
そこへ行くと私は無謀なんでしょうね~~(笑)
またお会いできるのを楽しみにしています。