谷川岳 #8 「一人目は天国、二人目は地獄」と言うのは本当だった

この三連休は低気圧の影響で悪天候続きというのが長期予報だった。
予報通りの天気なら「かぐら」にした方がいいかも、と連休二日目の行き先を思案していた朝、二階の窓から谷川岳を見ると、まだ暗い中にも谷川岳らしい輪郭が見えるではないか。

(画像をクリックで拡大します)

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もしかしたら・・・・・・・・・・・(天気がもつかも)

今日の行動は谷川岳に決定。

天気を見てからだったので、ちょっと遅れ気味だが、湯を沸かし暖かいレモンティをTHERMOSに入れ谷川ロープウェイの駅を目指す。

ベースプラザで登山届けを提出、チケットを片道分買う。

谷川岳で時々会うTさんと、そのお仲間Yさんに再会。
山頂を目指すことになった。

8:02分、ロープウェイ山上駅出発。
目の前には濃紺の空が広がっている。
テンション上がるな~~

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いつもの事ながら、スキー場のゲレンデ横の登攀で大汗をかく・・・・・・・・・・
毎回ここで体力の大部分を消費してしまうような気がする。
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尾根から谷川岳。
若干雲があるものの、ほぼ快晴。
期待に胸が膨らみ、すでにドキドキ気分。

昨夜テン泊したと思われる登山者がつけたのだろうトレースがすでに山頂まで見えている。
休憩かたがたTさんとYさんの到着を待って出発。

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白毛門もきれいに見え、一眼レフを向けている登山者もいる。
「いいねぇ」という感嘆の声も聞こえ、皆一様に期待に胸を膨らませている様子。

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何度見ても飽きない俎嵓山稜。

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深雪を覚悟してきたが、すでに先行するスキーヤーや登山者がつけたトレースが有難い。

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一見何とも無い場所だが、ここを下るには恐怖感が伴う案外イヤな場所なのである。
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谷川岳も徐々に迫ってくる。
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9:16分、すっかり雪に埋まった熊穴沢避難小屋通過。

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気温が上がってきて汗も噴出す。
これ以上気温が上がらないうちにエントリーポイントに着きたい・・・・・

稜線から振り返るとリフトを利用したスキーヤーやスノーボーダーが相当数田尻尾根をこちらへ滑り降りてくるのが見えた。
あれだけの数こちらに来たら「かぐら」並みの混雑になるな、と懸念したが、山頂直下から振り返ると熊穴沢避難小屋から殆どのライダーたちが西黒沢へドロップしていった。

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俎嵓山稜も大迫力。

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天狗の留まり場。

山頂直下に10名ほどの人影が見えるが、下山してくる登山者以外は殆ど滑り屋さんたちのようだ。
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昨日滑りに行った「かぐら」から、仲間たちの「最高! 超いいです!」などという無線が入ってくる。
向こうの雪質は良さそうだ。

天神ザンゲ岩付近まで登り上げると先行したスノーボーダー二人が肩の広場を滑り降りてきた。
滑る様子を見ていると、必要以上にトップを持ち上げスローモーション・ビデオさながら滑り降りていく。
Tさんたちと「なんか重そうだね」
などと話しながら見ていると案の定、天狗の留まり場手前で止まってしまった。
我々の通ってきたトレースまで抜け出るには難儀しそうだ。

2時間40分ほどで肩の小屋。
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どこを滑ろうか相談しながら登ってきたが、四ノ沢に決定(この時点では)。

お疲れ様!

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肩の小屋付近から四ノ沢を目指してトラバース。
見下ろすと、四ノ沢エントリーポイントに数名のライダーたちが滑降の準備をしている。
我輩の姿を見て微笑みかけてきたのはSさん。
ライダーたちはSさんご一行らしい。
「深津さんの姿が見えないので来ていないのかと思いましたよ!」
とSさん。

(や~~こんな天気ですもの来ますよ!)

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ここを滑るのはどうやら8人ほどになりそうだな。
ここは皆さんに譲るとして、我輩はいつやろうか決心しないままになっているマチガ沢本谷をやろう!。

SさんたちとTさんに「マチガ、本谷をやります!」と告げ、とりあえずトマノ耳へ向かう。

四ノ沢エントリーポイントから5分。
トマノ耳。

山頂トマノ耳よりオキノ耳、本谷を見ていると一人スノーボーダーがオキノ耳へ向かっているではないか。
もしかすると「本谷」?
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四ノ沢源頭部から移動してきたTさんにカメラの使い方を説明していると、そのスノーボーダーが本谷へ滑り降りて行った。

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様子を見ていると彼の切った雪崩が彼を追いかけていく。
彼は止まって岩場の影で雪崩をやり過ごし、また滑り降りて行った。
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先に滑られた・・・・・・・・・・
さて・・・・どうしたものか・・・・・・・・

いつだったか、本谷を滑った記録を書いたブログを読んだことがあって、そこには「一人目は天国、二人目は地獄」と書かれていた。
しかし仮にそうだとしても、一度決めたからには「やるしかないな」。

トマノ耳まで上ってきたTさんに自分のカメラを預け、撮影してもらうことにしてオキへ移動。

【Tさん、カメラを預かっていただき、撮影までしていただいてありがとうございました。
この場をお借りしてお礼申し上げます】


写真はTさんが撮影してくれた「エントリーポイントで準備する我輩」

右が我輩で、左に見えるのは偶然居合わせた、これまた私のドロップしていく様子を撮影してくださった登山者のshimamura様。
【shimamura 様、初対面にもかかわらず、ぶしつけなお願いを快くお受けくださり、ありがとうございました。Tさん同様、この場をお借りしてお礼申し上げます】
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shimamura様撮影。
準備する我輩。

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滑走の準備ができて、トマノ耳にいるTさんへサインを送る。

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トマノ耳から我輩のドロップインを見守るTさんたち。
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我輩、初本谷。
やっぱりこの斜度、緊張するね~~

意を決して「GO!」

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トマノ耳より
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やはり切れた!!

けっこうな量の雪崩が追いかけてきた。
一人目のライダーと同じ場所に退避、雪崩に巻き込まれないようやり過ごす。
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「一人目は天国、二人目は地獄」というのは本当だった。

勢い良く落ちていった雪崩が表層を削り、積もった新雪に隠れていたアイスバーンを剥き出していく。
ここからが「地獄」?であった・・・・・・・・・・

傾斜角50度はあろうか?落ちそうになっていく自分の重みにボードのエッジがかろうじて耐えている。

柔らかそうな場所を見つけてなんとかターン。

ボトムへ向かう直線のマチガ沢へ滑り出た。
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四ノ沢との合流点まではデブリの削って行った縦溝があちこちにあり、とても快適とは言えない。
所々岩肌も見えて、それらをかわしながら柔らかそうな右岸を滑り降りる。

見下ろすとS字のところに二人の人影。
滑り降りるとSさんたちが我輩を待っていてくれた。

Sさんたちは我輩の無事を確認すると先に滑り降りて行った。

我輩は後から滑り降りてくるはずのTさんとYさんの二人を、ここS字で待つ。

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二人も四ノ沢を滑り降りて来て合流。
国道291にてSさんたちとも合流。
休憩をしながら滑り降りてきたマチガ沢を見上げる。
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記念撮影。
まずはSさん ご一行。
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我が?グループ
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いつまで見ていても飽きないマチガ沢をあとに、ベースプラザへ戻る。
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戻りながらマチガ沢を見ると我々のラインが入っているのが確認できた。
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マチガ沢キャラバン一行。
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今日のマチガ沢は賑やかでした。
Sさんグループの皆さん、Tさん、Yさん、お世話になりました。
楽しい一日をありがとうございました。

帰路、土合より主峰を眺めると本谷へ滑り降りていく我輩と、先行したスノーボーダーの二本のラインが見て取れた。

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今日も無事下山。
谷川岳に感謝。

総括:「一人目は天国、二人目は地獄」本谷は一人が限界というのがよくわかった。

by sakusaku_fukafuka | 2014-01-13 02:17 | 2014 雪山三昧・前期 | Comments(10)

Commented by kimiko_shibata1 at 2014-01-13 06:36
見事な谷川、白毛門など山容の姿に感動し、
果敢に挑戦するsakusakuさまの心情とこの斜度、雪崩の怖さ・・・
拝見するだけでゾクゾクしていました。
ベースに戻ってのみなさんの最高の笑顔・・・
いい一日でしたね。

今まで滑走の撮影は・・・?と疑問な点も理解できました。
素晴らしき仲間たち・・・ですね。
Commented by sakusaku_fukafuka at 2014-01-13 07:39
> kimiko_shibata1 さん、コメントありがとうございます。
このシュート、気にはなっていましたが、斜度が斜度ですので小心者の私には延び延びになっておりましたが、昨日やることに決心しました。
小心者の割には無謀者でもありまして、いつかきっとやるだろうから。
それが昨日になったわけです。
仲間たちが居なかったらまた延びていたかもしれませんね~
Commented at 2014-01-14 09:22 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2014-01-14 23:13 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by sakusaku_fukafuka at 2014-01-15 10:24
>鍵コメ1-14-9-22 さん、コメントありがとうございます。
お久しぶりだね~。

元気そうで何より。
鍵コメさんと一緒に滑りたいものですが、スキルが違いすぎますから俺のレベルだと鍵コメさんについていけないですよ^^;
ここは天候が難しくてなかなか当たりません。
ご一緒するようなことがありましたらお手柔らかに願います(笑)
Commented by sakusaku_fukafuka at 2014-01-15 10:29
>鍵コメ1-14-23-13さん、コメントありがとうございます。
鍵コメさんも良く登っておられるようですね。^^
mail の方へ時間があるときに連絡申し上げます。
Commented by sho-m1228 at 2014-01-17 00:01
fukafukaさんこんばんは。
本谷ドキュメント、かっこいいです!
fukafukaさんのスキルと思いと人徳ですね(^▽^)

あの斜度でアイスバーンは怖いですね(^^;
何があっても乗り切れるよう、自分も修行続けます!
Commented by sakusaku_fukafuka at 2014-01-17 00:09
>shoさん、コメントありがとうございます。
滑ったというより、ただ下りただけ・・・・・・・
雪がついていれば一本目の人はいいかもしれませんが、二本目はいけません^^;
shoさんも本谷やることがありましたら、是非1stトラックを狙ってください(笑)
Commented by meruchichy at 2014-01-18 21:10
いつも拝見させて頂いていますが、冬山の谷川、素晴しいです。
命がけの滑降ですね。
中学・高校と毎夏登山合宿していた谷川岳、、、
冬の厳しさを痛感しました。
天神平の上だけでもスノーシュー履いてうろうろしてみたいです。
素晴しいお写真をありがとうございました。
Commented by sakusaku_fukafuka at 2014-01-19 00:04
> meruchichy さん、コメントありがとうございます。
meruchichy さんは谷川岳で登山合宿していたのですか・・・
そうでしたか。
命がけ・・・・・・・・・
そうですね。滑落や雪崩の危険がありますから、このシュートは特にデンジャラスではありますね。
湯檜曽川周辺ではスノーシューイングをやっているようです。
でも、川沿いだと稜線歩きとはまた違いますから、山をやったことがある方なら稜線歩き、ですよね。