カリカリの日はシークレットゾーン下見調査

快晴の平日、先週末の『翌週スケジュール』表を見ると空けになっていたので、これ幸いと山へ行くことに。
晴天の日曜日が役員引継ぎで潰れたので「山行きたい病」はかなり重症。

しかし、このところの雨続きで山はレインクラスト状態だということは望遠レンズで山を覗き見て百も承知。
一応晴れ予報なのだが、滑って楽しくないこんな日は2010年頃にとある稜線から見たシュートを下見調査することにした。

平日9時運行のロープウェイではこのルートの調査は明るいうちに下山するのはちょっと無理だろうと思い、下山予定の土樽に車を置くことにした。

まだ暗い関越道を走り、湯沢IC下車。
JR 上越線土樽駅へ車を停める。
6:28分の始発までまだ時間があるので車中で仮眠。

5:50分からパッキング。
この時間無人駅を利用する客は誰も居ないようで閑散としている。

(画像をクリックで拡大します)
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ホームから山を望むとまったく山容は見えない。
これで本当に天候は回復するのだろうか・・・・・・・・・・

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定刻どおり一番電車がやってきた。

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乗り込むとすぐに車掌がやってきた。
土合駅までの乗車賃¥230 を払ってウトウトまどろむ間もなく清水トンネルを抜けて土合駅。

こちらの駅にも誰一人人の姿は見えない。

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谷川岳ロープウェイ駅まで歩き、それでもちらほらと姿が見えるベースプラザのソファーにてロープウェイの運行を待つが、二時間もある・・・・・・・・・・・・
何もすることが無いので登山届けを提出したあとは、ウトウトとまどろむ。

ま、ここからはいつものパターン。

ロープウェイに乗り込むと我輩に声をかけてきた年配の登山者。
(俺も年配だが・・・・・・・・・・)
二年前に二度お会いしているとか・・・・・・・・
生来人の顔と名前を覚えるのが苦手な上に、物忘れだけは人に負けない。
すっかり忘れてしまっていてどうもすみません・・・・・・・

ロープウェイを降り、時間節約でリフト一本を乗り継ぎ稜線へ歩き出すも、山は土樽駅から見上げたときとほどんと変わっていない・・・・・・・
このまま晴れなかったら調査は中止だな。

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熊穴沢避難小屋を過ぎ、天狗の留まり場が見えてくる頃、なんと、予報通りに青空が覗いてきた。

「抜けた!」
このまま晴れなかったら下山しようか、と言っていた登山者も一気にテンション上がった。
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天狗の留まり場では完璧に晴れた。

見ると肩の広場にはレインストライプが出現していた。
「これじゃ、ここを滑ったとしても楽しくないなぁ」

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俎嵓を覆っていた雲も徐々に切れ始めた。

これなら目的地まで行けそうだな・・・・・・・・・・
予定通り計画を実行することにした。

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肩の小屋直下の急登の途中。

苗場山まで見えるようになってきた。

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11:30 肩の小屋。

ここまでですでにお昼近く・・・・・・・・・・・
まだまだ先は長い、これじゃ予定通り下山は夜だな・・・・・・・・・・

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山はすっかり春の様相を呈している。

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今日は朝からカリカリの稜線をずっと歩いてきたが、14:55分、目的地到着。
ここまで5時間以上かかっている。

陽もだいぶ西に傾き始め、カリカリの雪は更に硬さを増しているようにさえ思える。
目的のシュートも熊笹が所々出ているカリカリのアイスバーンである。

今日は滑る気は全く無い。
目的は下見調査だ。
スプリットで来ているが、ここまでもずっと背負ってきた。
スプリットはあくまでも下山歩行の道具としてである。

シュート全容がどうなっているのか、数年前に遠目に見たことがあるだけ・・・・・・・・・・
実際にどのようになっているのかさっぱりわからない。
もし、仮に板をつけて下って『下れもせず、戻ることもできない』状況に陥ることだけは避けたいので、板を背負い、アイゼンとピッケルに切り替え、まずは沢の様子がわかるまでは歩いて下ることした。
(とても板をつけて下れる状況ではない、まったくのアイスバーンである)













写真はカメラを上に向けて撮影しているので、それほどの傾斜は感じないが、実際は両足の踵を蹴り込み、ピッケルを突き刺し、足場をしっかりホールドしながら下降しないと滑落したら止まれないくらいのアイスバーンの傾斜だ。

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ここから下はさらに傾斜がきつくなるのだが、雪はかえってこれまでの斜面よりついているように思え、足場を作って板を履き滑走を開始したが思ったより薄いスラグが剥がれ落ち、エッジを食い込ますことが出来ず直ぐに滑落!
斜度が緩んだところで停止。

ほぼボトム付近まで降り、再度板を装着。
ターンが思うようにならないモナカ雪の上をもがきながらもボトムを移動。

K沢出合まで来たが、まだ新しい大規模な雪崩の跡。
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長居無用だ・・・・・・・・・・・

ここから更にボトムを滑るとやがてM谷に合流。
なんと、一本のスキーヤーが滑っていった跡が残っていた。
我輩も独りだが、このスキーヤーも独りのようだ。
兵がいるんだなぁ~~

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さて・・・・・・・・ここからが長かった。
右岸へ移動、また左岸へ移動・・・・・・
行きつ戻りつを延々と繰り返す。

谷底はいたるところ口を開けている。

落ちるのも時間の問題と思われるスノーブリッジを幾度も渡り、ふり返ると谷間から山の一部が垣間見えた。

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こんなところにだけは落ちないようにしよう・・・・・・・・・・

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稜線よりボトムに降り、M谷と合流してから約2時間。
辺りはすっかり暗くなってきた。
ようやく関越道のパーキングの明かりが見えて、ホっとする。
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関越道土樽パーキング。

でも、まだ土樽駅までは更に22分も歩かなければならない。

朝からここまでの間に腹に入れたのは「豆大福」一個だけ。
腹と背中がくっつきそうだ。

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18:40 分、土樽駅。

凡そ12時間ぶりに振り出しに戻ってきた。

今日も無事下山できたことに感謝。
いつか雪の良いときに、今度はトップからボトムまで「滑り」で挑戦してみたいものだ。

湯沢のラーメン店でたらふく腹を満たし、帰路についた。

by sakusaku_fukafuka | 2014-03-21 23:55 | 2014 雪山三昧・後期 | Comments(4)

Commented by sho-m1228 at 2014-03-25 10:13
ドキドキします(・∀・)
自分も、「そこがどうなってるか見たい」という好奇心あります。
冒険の原点ですよね。
なかなか怖くて未知のルートは行けないですけど(^-^;
Commented by sakusaku_fukafuka at 2014-03-25 21:09
>sho さん、コメントありがとうございます。
ここは5年くらい前から「いつかは下見調査に行こう」と気になっていたシュートです。
やはり詳細は実際にそこへ行ってみないことにはわかりません。
滑れるのかどうか、ちゃんと戻れるのか・・・・・・・等々・・・
頼りになるのは自分の足だけですから、本当に「冒険」でしたね。
未知の世界へ足を踏み入れる期待と不安は冒険の醍醐味ですね。
Commented by mountainshark at 2014-03-31 23:57
お疲れ様でした。
緊張感がひしひしと伝わってきます。
滑落で大事に至らず何よりです。

M谷、そんなに口を開けてるんですね~
意外です。

ご自分の目を、足を、体を使ってここまでされるスタイル、本来そうあるべきものだと思いますがなかなか出来ることではないです。
Commented by sakusaku_fukafuka at 2014-04-01 20:36
>mountainshark さん、コメントありがとうございます。
ここはトップから覗き見ると奈落の底へ吸い込まれていきそうな感じがします。
探りたくても見ることが出来ないその下はどうなっているのか・・・
アイゼンとピッケルで下りながらもドキドキしますね。
下ってからも長く、ヘッドランプで戻るのも覚悟の上でしたが、やっぱり一日費やしました。
M谷は穴ポコだらけです。
ハラハラしながらスノーブリッジを幾度も渡り、堰堤をいくつも越えます。
沢は傾斜があまり無いので、滑って下ることはほぼ不可能ですからとても長いです。
自分は、わからないところはこうして自分の足と目で確かめることにしていますが、そういうスタイルは貫いていきたいと思います。