2009年 06月 28日 ( 1 )

谷川連峰馬蹄形縦走 #1


思い出のトレイルを辿る

谷川連峰馬蹄形縦走

もう古い話になるが、今は嫁いで一児の母となった娘が高校生だったころ、あまり気乗りのしない娘を説得して『良い思い出作り』に、と二人で歩いたのが今回の馬蹄型縦走である。

今にして思えば、山をやったことが無い者にとっては、いきなりこんな難行苦行のロングトレイルを『良い思いで作り』にしようなどと持ちかけられたことが、いかに迷惑千万、身勝手で無謀だったかと思うのである。

そのとき、第一日目は生憎のガスに見舞われ、ほとんど視界の無いトレイルをひたすら歩いた。
縦走の疲れで倒れこむように清水峠の白崩非難小屋で一泊。
翌日暗いうちに起床。
目覚めた娘に、『もし疲れていたらエスケープルートがあるから、そこから下山してもいいよ』 と言うと、予想に反して、『計画通り行きたい』という頼もしい返事が返ってきた。
第二日目はその苦労に対するご褒美のように晴れ、眼下に雲海を眺めながらの、まさに雲上のトレイルだった。
雲海の上に、海に浮く島々のごとく、ピークだけを突き出した谷川連峰の山並みを見て、『一つ一つあれを全部歩いてきたんだよ』とルートの説明をしたとき、我々親子二人だけしか居ない、朝日岳の山頂に響いた娘の感嘆の声は忘れられない。
娘と二人で分かち合った雲上の楽園の想い出は今も宝物だ。
連れてきて良かった、と胸をなでおろした。

今回は独りでその思い出のトレイルを反時計回りに逆から辿ろうというもの。
梅雨時の天候の不安定さに加え、谷川連峰の気象の難しさを考えると、二日続けて晴れるということはめったに無いので、この機を逃して馬蹄形縦走を実行できる日はそう無いだろうということで、急遽決行。

快晴の朝、自分にしては珍しく朝寝坊。
無意識のうちに目覚ましを止めてしまったらしく、予定より三時間遅れてのスタートだ。
予定通りなら、深夜二時出発。白毛門の山頂で日の出を迎えるはずだったのが、もうじき朝日が谷川岳の東壁を照らそうかという頃の出発。

谷川岳登山指導センターに登山届けを投函。(登山開始時用)
今回は天候の急変で土樽に下山して電車で戻ることになった場合も視野にいれ、土合駅に車を停めた。
パッキングを済ませ、線路を渡って左前方に武能岳を遠望しながら取り付きへ向かう。
平日だけあって白毛門登山者用駐車場は疎らだ。


※馬蹄形縦走
馬蹄形縦走とは、谷川連峰の有名な縦走の楽しみ方で、その名のごとく馬の蹄になぞらえ、の字のように、同じ場所を通らずに出発点に戻れることから、こう呼ばれている。
週末には混雑する谷川岳も、一旦縦走路に入るとほとんど行き交う人も無く、静かな山歩きを堪能できることから、根強い人気がある。
コースは、約11を数えるピークを踏破する、凡そ 24km にも及ぶロングトレイルであり、決して楽なコースではない。
谷川岳を好む登山者から、『いつかは馬蹄形を・・・』と夢描かれるゆえんだろう。
それなりの心構えと準備が必要だ。
時計回りと半時計回りの二通りの楽しみ方があるが、どちらかというと、時計回りの方が今回の半時計回りよりも歩きやすいと思われる。


武能岳  明日はあのピークを通過する
[ 画像をクリックすると拡大します ]
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冬の同じ場所
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駐車場の端に馬蹄形縦走の概念図がある。
ルートをイメージしながら 5:20am 土合を出発。

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東黒沢に架かる端を渡るといきなり急登の始まり。
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やはり冬は・・・
Photo : Izumi

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朝一番で出迎えてくれたのは、大好きな花、ヤマオダマキ(キンポウゲ科オダマキ属の多年草)
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もうじき夏本番というのに明るいブナ林は見上げると新緑のようだ。
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冬の同じ場所は・・・
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朝から気温も上昇してきているようで、汗が噴出す急登。
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視界の利かない急登の連続で名高い、ここ白毛門への登りだが、稀に樹間から谷川岳東壁が見えるのが救い。
朝日がマチガ沢と一ノ倉沢を照らしている。

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足場の悪い登山道は、まだまだ続く・・・
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さて?・・・・・・・これは何?(葉っぱから赤いものが突き出てる)
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これでも立派な道なのだ・・・
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雨宿りできそうなクロベの大木。
(ここを通ると、いつもこの木の写真を撮っているような気がする・・・)

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この広場?からようやく白毛門の山頂を望むことができる。
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白毛門山頂。
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反対側には谷川岳東壁。
マチガ沢駐車場には登山者の車が三台見える。

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冬の東壁。
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山頂とジジ岩が見えてきた。
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傍らにギンリョウソウ(イチヤクソウ科。暗い林中の腐った木や枝葉につく腐生植物)
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右手に滝が見える。
(タラタラのセン)

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ここの樹林帯には花が少ない、やっと咲いていたアブラツツジ ツツジ科 ドウダンツツジ属 (葉の裏が油を塗ったように滑らかなことからこう呼ばれるらしい)
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徐々に樹木の背丈も低くなり、森林限界も近いことを思わせる。ここまで来れば松ノ木沢の頭も近い。
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ホ~~~ホケキョ! と頭上でさえずっていたのは春告げ鳥、だった。
声はすれども姿は見えず、というのが鶯の印象なので、彼がこれだけ姿を人目にさらすことは珍しい。

くちばしを大きく開けてさえずってます。

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しっかりカメラ目線?
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谷川岳と肩を並べるくらいの高さになってきたころ、視界が一気に開ける。
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ようやく樹林帯を抜け、鎖場に差し掛かる。
ここを超えれば松ノ木沢の頭だ。

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7:58 am 白毛門のビューポイント、松ノ木沢の頭到着。
奥は白毛門本峰。
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視界が開け、その全容を現した谷川岳東壁を眺めながらひとまず休憩。
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冬は・・・・・・・
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続きはまた次回・・・・・・・・

by sakusaku_fukafuka | 2009-06-28 11:36 | 2009 谷川連峰馬蹄形縦走 | Comments(12)